繰り返しの効用

前項で述べたようなインプット用の絵本を買い始め、読み聞かせを始めると、大人は基本的には一度聞いた話を繰り返し聞きたくないので、結果としてかなり費用が嵩んでいくのではと考えるかもしれません。

しかしその心配はあまりいりません。なぜなら不思議なことに、子どもは何度も同じ絵本を読みたがるのです(それでも6歳くらいまででしょうか)。下手をすると読み終わった瞬間に、「もう一度読んで」とせがまれることさえあります。

子どもは飽きることを知らないので、興味を持った英語の絵本を何度も読むのですが、教育上も効果が高いと言えそうです。

 

リズムを通じて学ぶ

Dr.Seussに代表されるいくつかの絵本は、意図的に音韻をそろえており、聞いていてリズム感のある楽しい文章で構成されています。

また、英語の伝統的な歌は、無料のYouTubeでも容易に見ることができます。リズムに合わせた英語は、子どもも無理に覚えることなく、自然にインプットされていきます。そこに暗記や訓練のにおいが無いので、脳が拒否しないのです。

 

フォニックス

日本語と英語では、いくつか大きな違いがありますが、そのうちの一つに、日本語は「一音一文字」つまり一つの音について一つだけの文字が対応しているということがあります。

たとえば「たぬき」という 3 文字を発話すると

「た」「ぬ」「き」

の3音でなっていることが分かります。一方で英語は26のアルファベット文字がありますが、音の種類は26ではありません。aはアと発音することもあれば、エイと発音することもあります。日本語と同じように一文字ごとに音を当てはめるやり方では、正しい音で発話できないのです。

一音一文字でない英語の特性から生まれた指導法であるフォニックスは、英語圏の子どもたちでも学ばれているケースが多いです。フォニックスはここでは詳述しませんが英語のつづりと発音のルールを示したもので、英語を正しく読み、話すための重要項目といえます。

 

その他:国際結婚環境での英語

国際結婚されたご夫婦の子どもは、自然に任せておくと子どもは楽な方の言葉だけを使いたがります。日本在住なら日本語、海外在住なら英語、というように、環境に左右されることもあります。

周囲の大人が徹底して使い分けを習慣化、または英語環境の継続を行わなければ、子どもは一つの言葉で済まそうとします。

さらに、英語で話している中で、分からない場合に日本語訳を言い添えてしまうと、日本語のみを拾おうとするため、英語を聞こうとする姿勢がなくなってしまいます。

インターナショナルスクールの説明会では、国際結婚されている保護者が、良くいらっしゃいます。その時には「幼児期は、例えばお父さんが日英両方の言語を知っていても、日本語が分からないふりをして、英語での対話を徹底すると良いですよ」と伝えています。

こちらの記事は以下の書籍を参考にして書いております。

AI時代に必要な学び~インプットからアウトプットの競争へ~ 大前研一通信特別保存版.
著者:大前研一
共著者:宇野令一郎 株式会社Aoba-BBT常務執行役員
熊本大学大学院非常勤講師(教授システム学)
元アオバジャパン・インターナショナルスクール理事
元ムサシインターナショナルスクールトウキョウ理事長