③英語に一定時間をしっかりかける

研究結果でも重要とされている点として、英語に触れる時間が英語の習熟度に大きく影響を与える、ということを改めてお伝えします。

子どもをバイリンガルに育てようとする場合、週1回の英語、1日15分のCD や読み聞かせは勿論、週5時間、という時間数でも足りないのです。

大人になった時点でバイリンガルとなる基礎としたい場合、英語環境時間を、妥協せずにしっかり確保することがまず重要と考えてください。質だけでは補えません。

また、子ども期の英語経験を踏まえ、中学か、高校か、大学か、どこかで、留学などにより「生活の中で集中して英語のみを浴び続ける経験」を踏ませることを長期戦略に入れてみてください。

インターナショナルスクールは一気にバイリンガルになる道ではありますが、インター以外のルートで行く場合は、あくまで「大人になったときに完全に道具として使えるレベルにしておく」と長期戦で考えましょう。

子ども期に英語を好きになり、まずはしっかりとバイリンガルとなる基礎力をつけてください。次に、10-20代に短期留学や海外留学のチャンスをものにし、この時点で英語を自由に使いこなせるようにしていく、ということを目標としてみてください。

一般的には英語圏居住の場合でも、子どもが日常会話を話すようになるのは1か月、3か月のレベルではなく半年から1年程度はかかるものです。

まずは、目標とする言語修得時間を2000時間として、1週間に7-10時間英語に触れる(すべて学習である必要はありません! 英語時間を楽しむことを心がけてください)4-6年作戦を検討してください。

プリスクール卒業生や帰国子女生は、これより大分少ないでしょう。プリスクールに通っていたならば、そこで止めずに、あと2000時間(年500時間なら4年間)、言語喪失のカットオフピリオドともいえる8歳頃を超えて、せめて10歳(小4)くらいまでは、集中的な英語環境におかせ続ける、ということが望ましいと思います。

 

④理解できる内容の英語インプットと、豊富な英語アウトプット機会

私たちが目指しているバイリンガルへの道は、自分の人生のリーダーとなるための英語コミュニケーション力が目的で、英語の試験合格が目的ではありません。

先ほどロールプレイやリピートアフターミーの事例を挙げましたが、このような非自発的アウトプットは、そもそも充分なインプッ トの機会がないままさせても、応用力がつかないのです。

ではどのような英語インプットがよいでしょうか。

英語のインプットで多くの人子どもたちがよく活用しているのが、英語DVD です。世の中には数多くの英語DVD 教材が出回っており、中には数十万円するものも珍しくありません。

子どもと映像教育の関係は「過度に期待しないこと」かと思います。

子どもとメディア教育をめぐるいくつかの研究では、いわゆる知育DVDを子どもに見せても語彙学習効果は少なく、むしろ、大人が話しかけることや、読み聞かせが効果的であるとしています。

英語のCDやDVDを販売している立場を庇うわけではありませんが、私は、それでも日本人の親が、子どもに良質な英語に触れさせる「量」を稼ぐ、そして「英語耳」を育むには充分有効であると考えています。

ただし、リスニング力育成には効果的でも、適切なときに自発的に言葉として出るスピーキング力を養う手段としては不十分でしょう。このような観点から、子ども期に良質な英語時間を与えるベストな方法は何かと問われれば、これも身も蓋もありませんが、生身の外国人との英語時間をできるだけ作る、ということになります。

これには費用がかかります。また英語「教育」として行うのであれば、誰でも良いというわけではありません。

GO School では、「フィリピンの教職有資格者」を採用することで、質の担保と、英語時間の量の両立を図っています。そのうえで、良質な無料・有料の英語素材を紹介し、楽しい英語時間を過ごしていただく提案をしています。

英語素材は、無料のYouTube からいくらでも例はありますが、YouTube だけでなくNetflix も月額を払う価値は十分あると思います。5分程度でほぼあらゆる話題のお話があるイギリスの「Peppa Pig」、科学好きの子どもであれば「Magic School Bus」など、スクリーンタイムを気にしながらNetflix で英語イマ―ジョンの環境は作ることができます。

英語DVD教材は万人向けですが、Netflix や YouTube であれば、一人ひとり異なる子どもの興味と発達段階にあわせて選ぶことができるのです。

良質なインプットとしての英語の絵本も数多くありますが、選び方がなかなか難しいところです。GO School では、Scholastic社の読書アドバイザーと提携したアドバイスを行っています。

どこから手をつければよいか分からない場合、日本版でも有名 な Eric Carle や Leo Lionni 絵本からはじめ、Dr.Seuss、Richard Scarry’s といった古典、犬がいる家庭ならClifford the Big Red Dog や、Biscuit のシリーズなどがあります。更にこれらを卒業した先には、男の子であれば Dogman やCaptain Underpants、また男女問わず Weird School シリーズ、Magic Tree House シリーズなどがあります。

英語読書の話は、別の項で改めて書いてみたいと思います。