②コード•スイッチング
英語と日本語が会話の中で混ぜこぜになるケースです。

これは、インターナショナルスクールだけでなく、英語教育をしている家庭であれば、幼少期には「かなり」よく見られます。

また大人であっても、帰国子女同士が日本語と英語を混ぜながら、あるときは日本語で、そしてあるときから急に英語でお互いに会話する場を見たことがある人も多いでしょう。

 

英語プリスクールに通う日本人夫婦の子どもを例にとります。子どもはプリスクールで学んだ地球儀で「Japan ってここだよ」と親に言いました。このケースでは、単に日本語で「にほん」と学ぶ前 に、プリスクールで “Japan” と紹介されたから、日本語英語が混ざったケースに過ぎません。

大事なことは、Japan という言葉が出たときに、「Japan じゃなくて日本でしょ」と矯正しないことです。

母語であれ第二言語であれ、一つ一つ矯正していくと、子どもはコミュニケーションや表現が楽しくなくなり、マイナスの影響を与えることとなります。

代わりに返事として「日本はここだよ」と意図的に日本という言葉を使用していくことで、子どもは日本語のときはJapan ではなく、日本だと認識し、自然と直っていくことになります。

またある物体について、日本語での会話内よりも英語(スクール) での会話で頻出する単語であった場合は、英語または英語の発音で呼ぶことがあります(キウイを見た子どもが、日本語の「キ・ウ・イ」ではなく「キーウィー」と発音するなど)。

 

この、言語ごちゃ混ぜの状態は、近年は、translanguagingという言葉により、ネガティブなものとして矯正するものではなく、二言語発達過程において生じうる肯定的な状況として捉える考えが広がっています。

考えてみれば、大人の世界でも、外資系企業や国際的な企業のほうが、純粋な日本企業よりも圧倒的に日本語の中でカタカナが出ることが多いですよね。

以上、バイリンガルのメリット・デメリットを簡単に整理してみ ました。実際は、子どもの数だけケースがあります。またどこかで紹介したいと思います。

こちらの記事は以下の書籍を参考にして書いております。

AI時代に必要な学び~インプットからアウトプットの競争へ~ 大前研一通信特別保存版.
著者:大前研一
共著者:宇野令一郎 株式会社Aoba-BBT常務執行役員
熊本大学大学院非常勤講師(教授システム学)
元アオバジャパン・インターナショナルスクール理事
元ムサシインターナショナルスクールトウキョウ理事長